コラム

menu


 
『トイレ』 2003.1

 

 仕事柄、雑誌や本を買うことには糸目をつけないようにしている。ジャンルも問わない。男性誌や情報誌、趣味の本や仕事関係の実用書、はたまた女性誌まで。コンビニに行くとまず雑誌コーナーをチェックするし、見知らぬ街にある大きな本屋には必ず入ってしまう。
  なぜだろう。本屋に行くとトイレに行きたくなる。特に「大」のほう。何人かに聞くと同じ事を思っている人が必ずいる。
 新しい紙やインクのにおいのせい? 
きれいに陳列されている物を見ると、という精神的な理由? 
 自宅のトイレに漫画や本が積んである人も少なくない。新聞をトイレに持ち込んで娘に嫌われるお父さんもいる。
 不況の出版業界。トイレが救世主になるかもしれない。だから本屋さんには必ずトイレを設置すること。


 元日の初めてトイレに行く時に必ず思うことがある。「いったい一年で何回トイレに行くのだろうか。せっかく元日だから勘定してみよう」そんな子どもっぽい事。
  簡単ではない。毎回決まったトイレで用を足すのならいいけど、ショッピングに行けばデパートのトイレで…、帰り道の公園でがまんできなくて…、飲み屋では15分おきに…。手帳に印しをつけるほどマメじゃないから無理。
 質量保存の法則。食べたり飲んだりした物はどこかに消えるわけはない。体内に蓄積されるか、下水に流されるかのどちらか。ということは食べた量と体重を測ってマイナスすれば「出す量」になる。いや、問題は回数なのだ。トイレに行く回数。1ヶ月間の「出す量」を1回の量の平均で割ればいい。いや、平均と言ってもだいぶ誤差があるのでダメ。
 この際だから、食事みたいに1日3回と決めるのはどうだろう。大小あわせて1日3回。続けていればその3回以外には行きたくなくなる。1日3回、1年で1095回。
 「食事どきにすいません、あっもうトイレどきでした?」と電話のあいさつ。たまの休みにはデパートの上の階で「外トイレ」。ひとりでするよりみんなでしたほうが楽しいじゃん。「連れション」は楽しいのか? 扉はどうすんだ? 

 3大生理的行為「食う・寝る・出す」。唯一イベント化していない「出す」。 汚いハナシと考えてはいけない。だから出版業界は「トイレ」について取り上げて盛り上げること。救世主になるかもしれないのだから。
 
 


文◎さかせがわてつや




menu
page top

© 2005 tetbottle , all rights reserved.