コラム

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『銭湯』 2001.1

 

 今まで385円だった銭湯の料金が400円に値上がりしました。 これじゃぁ地方の温泉と変わらない料金です。まぁ、風呂なしの部屋が極端に少なくなってきていて 風呂屋も大変なんでしょうね。
  毎日風呂に入るとひと月に1万2000円かかるわけです。そうなると、いくら風呂なしの部屋が安いとは言っても1万2000円高い家賃を払って、風呂付きの部屋に住んだほうがいいってことです。 (この計算には光熱費が入っていないけど…)

 ところがボクみたいな風呂嫌いには今の話はちと違うわけです。1万2000円の計算はあくまでも毎日風呂に入った時のもので、3日に1回くらいしか風呂に入らないとなると月に10回で4000円の風呂代になります。もっと難しい計算が必要になります。

 風呂なしの部屋と風呂付きの部屋が単純にいくらくらいの差があるのでしょうか。1万2000円高なら毎日銭湯に行くのと「トントン」です。月10回だと銭湯の方が得で風呂付きの部屋は損ということになります。さらに、問題があります。家に風呂があれば、当然好きな時に風呂に入れます。銭湯は12:00までだったりします。それに家から靴を履いてコートを着て出掛けなければいけません。ただし、銭湯は大きな浴槽や、ジャグジ、薬草湯などの付加要素もあります。これらのことに「値段」をつけるのが必要になってくるわけです。

「好きな時間に風呂に入れる」ってことの値段はいくらくらいなんでしょう。例えを出して考えてみます。 レンタルビデオ店でビデオを借りて、返却日を過ぎると超過料金が発生します。「あぁー、失敗したなぁ」と思います。 これと風呂屋に行ったら定休日でしまっていたときの「あぁー、失敗したなぁ」はどちらが深刻でしょうか。追加で料金がかかるっていう不満さの方が高く感じます。ということは延滞1本300円だとすると、「好きな時間に風呂に入れる値段」は300円よりは安いわけです。
  駅前のスーパーで120円だったネギを買わないでいたら、 近所の八百屋で100円だった。「あぁー、駅前で買わなくて良かった」は20円。もうちょっと「好きな時間に風呂に入れる値段」の方が高いような気がします。めんどくさいので50円ってことにします。

  次は「出掛けなければ風呂に入れない値段」です。 これは単純に経費を計算してみます。出掛けるってことは洋服がまず必要です。銭湯に行く時のスタイルはたいていが「スウェット上下にサンダル」です。合わせて5000円くらいなもんです。スウェットなどは2年間くらいでダメになるか、飽きるかなので1年間で2500円、365で割ると6.8円です。またまためんどくさいので「出掛けなければ風呂に入れない値段」は10円にします。
  銭湯代400円に「好きな時間に風呂に入れる値段」と 「出掛けなければ風呂に入れない値段」を足すと460円です。

  「大きな浴槽や、ジャグジ、薬草湯に入れる値段」です。んー、ジュースを半分くらい飲んで「あぁーおいしい」と同じだとします。60円です。 これは………足すのか?引くのか? えーと、風呂屋で得することなんだから引いて、合計400円。あれ、もとにもどっちゃった。(なんか計算がおかしいのか?)

  やっぱり光熱費の計算します。毎日、一回風呂を沸かすとしたときに必要な水道代とガス代です。ずばり、なんとなく、いい加減に、感じで、月に3000円です。1日あたり100円の光熱費がかかることにします。400円から引くと「実質風呂代」300円。

 もうひとつ、部屋の風呂は掃除をしなければならないわけで これは子供にお風呂掃除を頼んだときのおだちんが50円くらいだとして、あっ、「水をためて沸かす値段」もこれに入れて、「実質風呂代250円」。

  はぁー、疲れた。

  250円で計算し直すと、毎日銭湯に行くと7500円。風呂付きの部屋が1万円高いとすると、損です。これは毎日風呂に入った場合なわけで、3日に1回しか風呂に入らないとすると、月に2500円。 2日に1回だとしても、3750円。 風呂付きの部屋に住むと、大損です。

 高い!と思っていた銭湯ですが、実はリーズナブルなのです。家で風呂を沸かすのがバカバカしくなります。ただし最近は風呂なしの部屋がなかなかありません。昔は風呂がなかったくせに、強引にユニットバスなんかを取り付けてしまいます。結局「家で風呂に入りたい」という人が多すぎるのです。この計算を見せてやりたいです。

 とにかく、今夜は銭湯にいってみようと思います。 計算していたら、おっくうでなくなってきました。途中で気付いたと思うけど、この計算はあくまでも「一人もん」です。お宅でもこの「実質風呂代」の計算、やってみて下さい。

 この原稿書いていたら、風呂屋がしまってしまいました。あわてて遅くまでやっている風呂屋にいったらタオルを忘れました。「レンタルタオル」があったので借りることにしました。100円でした。 あぁ〜、計算が……。

文/さかせがわてつや




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